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ボールの表面素材の話(1)

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今週は24(月)は午後から出張になりました。
ドリルのご予約の際はお電話にてご確認の上、ご来店ください。


ボールの表面素材の話を何回かに分けてお話ししたいと思います。
 40年近くボールドリル(自称穴あけ職人)の仕事に携わって来ると、様々な時代のボール材質との出会いに遭遇したことを思い出します。
 ドリルを始めた40年前は、ボール材質といえばエボナイト(ハードラバー)でした。当時はオイルを吸収するという事は考えもしなかった時代で、オイル引き立てのレーンではコンディショナーオイルがローリングトラックにべっとり付いてきて、そのオイルをタオルで拭き取って投球したものです。ボール寿命といえば、そもそもウッドレーンの時代でしたから、板目がピアノのキーのような運動をするために、その隙間に挟まった小さな砂利によってローリングトラックに傷が付いてきて、徐々に深くなることによるパフォーマンスの変化が買い換えの時期でした。従って現代のようなオイル吸着によるパフォーマンス劣化の短いサイクルではなく、気に入ったボールは数年使えた時代でした。
 80年代の初頭にウレタンが登場し、それまでの摩擦の常識を覆すことが起き、同時にレーン表面がニトロ系塗料からウレタン系に移行し始めた時代です。レーンコーティング材であったニトロ系(ラッカー)塗料の引火点が低い為に、リサーフェース(レーン表面を平らにするために削り直す)をする際に火災が起き易かったことが理由です。
 ウレタンはラッカーに比べ表面が硬く、しかも滑らかなためにハードラバーでは表面が硬すぎて滑りやすく、そのためボール表面のより高い摩擦が必要になり、ボール表面の材質の新たな技術革新が求められたのです。そこで登場したのがウレタンボール。第1号は1981年「AMFアングル」今から30年前のことだったと記憶しています。つづく。

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このページは、日坂が2011年10月22日 16:04に書いたブログ記事です。

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