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日坂: 2010年2月アーカイブ

 ながらくお待たせしておりますが、ただ今ホームページをリニューアルしております。提携をしておりましたビックスポーツのサイト続行が、先方の都合でできなくなったことが理由ではありますが、もう一つの理由もあり、ここで一新したいと考えております。
 そのもう一つの理由は、当ショップの営業方針を大幅に変更することに決意したからです。特にボール価格が大幅に破壊され、標準価格そのものの存在が何の意味も持たなくなった昨今、同じ品物を購入するなら安い方がいい、と思うのは当たり前、当ショップの価格設定の限界を大幅に超えているインターネットの価格が、今やボール価格の標準になっている現状を考えると、今後はドリル技術を営業の主力とした営業展開を強化することが、当ショップを支持してくださっているお客様には好都合かと考えたからであります。従って当ショップでも、ボール価格をネット価格同様に設定して、技術料をよりオプション化する方向で進めております。従って持込ボールのドリルも積極的にお受け致しますので、遠慮なくご来店下さい。但し、インターネット等でボールをお選びになる際の注意事項ですが、求めているパフォーマンスにマッチしたボールを選ばないと、ドリルのレイアウトで引き出せるパフォーマンスは、そのボールのポテンシャルを100%出すか、80%に抑えるかで、120%の要求をされても無理な事をご理解下さい。例えばレーンキャッチの強いボールを手前を走るようにとか、カバーストックのトラクションが弱めのボールにオイリーコンディションで曲がるように、といった注文があります。これはボールのデザインコンセプトを越えた要求なので、ドリルレイアウトでは限度があることをご理解下さい。ボール選びの際には、ボウリングマガジンでの「実戦ボール講座」等をガイダンスにして、お選び頂くと失敗が少ないと思います。決して価格だけでお選びにならないようにご注意申し上げます。
 そんな中で最近注目しているのがブランズウィック社のボールです。米国ブランズウィック社のボール工場がメキシコに移転して早2年が経過致しました。この間、開発がスローダウンしていたことは感じていましたが、昨今発売になった「スィージシリーズ」をはじめ、「Cシステム2.5」などは従来のBWボールにない、新たなパフォーマンスが感じられます。とくに近年BWボールの人気がやや低迷していた理由の多くはパフォーマンスにあったと思われます。「手前のトラクションは強いけど、先で曲がりが終わってしまう」といった声をしばしば耳にしました。そんなボウラーの声を一気にはねのけたかのように感じられるのが今月リリースされる予定の「Cシステム3.5」ではないでしょうか。オイル上の安定感はもとより、バックエンドリアクションも従来にも増して、最後まで曲がりが衰えないリアクションが感じられます。今後のさらなる開発に注目したいと思います。
 BW社の総代理店「サンブリッジ社」からの依頼により、今月16日から全国縦断で「USA最新情報ドリルセミナー」を開催いたします。ボウリング場関係者を対象としたセミナーで、一般参加はできませんが、リンクの開催要項をご参照の上、ご参加をいただきたいと思います。その合間を縫ってドリルを積極的にお引き受け致しますので、ご予約をお待ち致しております。

「USA最新情報ドリルセミナー」開催要項はこちらから

リニューアル前のひとこと

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ここ数年来にわたり、非対称コアの開発が進み、マスバイアスがすっかり定着した感があります。しかしながら一方で、正しい知識を理解しないまま、ドリル作業をしているケースもあり、思うようなリアクションが得られないことによる、マスバイアスボールの敬遠も一部あるような情報も届いてきています。そこで、マスバイアスとは何かについて、もう一度理解を深めて見ましょう。

マスバイアスはそもそもボールの回転軸の移動現象を利用するドリル上のレイアウトで、対称コア、非対称コアに関わらず存在する仮想3軸の中間RGと最も高いRG差を利用して軸移動の時間を調整するドリル法です。もう少し解りやすく言うと、リリース直後のアクシスポイント(PAP)からボールの最も慣性モーメントの高い軸(HRG=MBポイント)へ軸移動が起こるボールリアクション現象を利用したドリル法なのです。非対称コアボールは予めボールにMBポイントが打刻されているか、PINが埋め込まれていて、レイアウトし易いこともあり、ボウラーの求めているリアクションを希望通りに作りやすい、という特性があります。一方、対称コアは指穴をドリルして初めて非対称に変わるため、MBポイントが予測しにくいこともあり、結果非対称コアのマスバイアスボールが多く製造されるようになった背景があります。従って投球フォームが安定していない場合は、ボールの性能が上手く引き出せない場合もあるので、ドリラーによる投球フォームのチェックが不可欠になってきます。

もう一つマスバイアスボールで抵抗になっている問題はバランスホールです。レイアウトの結果バランス規定に外れるケースも多々あり、バランス調整目的のバランスホールがマスバイアスボールに限り必要になってきます。勿論必要ない場合もあります。そのバランスホールの知識もないと、リアクションにマイナス効果が生じてしまうこともあり、バランスホールを嫌うボウラーもいて、結果マスバイアスボールを敬遠するドリラーもいるようです。

このようにマスバイアスボールはよりボウラーの求めるパフォーマンスを引き出しやすいメリットがある反面、ドリル理論に基づいたドリル技術の習得が必要不可欠なこともあり、知識の浅いドリラーによっては嫌う傾向もあるようです。


いずれにせよ、ドリルによって求められるパフォーマンスは、ボール全体の僅か20%程度であることをまず理解して頂きたいのです。そしてボール選択でより重要になるのは表面素材であり、表面加工なのです。レーンコンディションに合わなければ、どんなに素晴らしいボールでも、その時点では不要なボールになってしまうこともあり、合わせるためのチューンナップもこれからは益々重要になっているのです。

このようなメンテナンスも含めると、プロショップとの関わりは、身近な主治医をもつことと同様で、昔から言われているように信頼できるドリラー(=アドバイザー)を持つことが、あなたのボウリング技術向上のためには不可欠であることを再認識して頂きたいのです。

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