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 JBC公認ドリラー制度の趣旨
 
平成11年4月からJBC(財・全日本ボウリング協会)により日本における公認ドリラー制度がスタートいたしました。これは文部省の指導により、ボールにルールがあるのにそれを加工する側に何の資格制度がないのは不備だということが理由の一つになっています。

ボウラー団体として、文部省に認められているプロ協会と全日本ボウリング協会が日本におけるこの制度を確立していくことが望ましい、ということで準備に 入ったのですが、それぞれ独立した団体のために調整に時間がかかり、結局アマチュア団体である全日本ボウリング協会から、制度としてスタートすることに なったのです。おそらく将来的には日本の統括した公認制度となることは時間の問題であろうと思っています。

その公認ドリラー制度は今年で5年目に入りますが、ここでの大きなテーマは国際ルールに準拠した、日本のルールを確立することと公認ドリラーの育成を目的としたランキング制度の確立が当面の課題になっています。

公認ボールひとつをとっても、アメリカではABC/WIBC(アメリカボウリング協会)におけるボールの公認制度があり、製造されるボールのほとんどが公 認ボールとして市場にでています。もちろん日本でも輸入ボールにおいてはABC/WIBCの公認を受けたものが入っていますが、今までは公認されていない ボールの使用も黙認されていましたが、公認ドリラー制度発足とともに、公認ボール以外の使用が禁止され、公認ボールの使用を義務づける。という制度が実現 しています。

私も公認ドリラーの認定委員を仰せつかり、現在委員としてお手伝いしておりますが、アメリカ同様に、このライセンス制度がドリラーの社会的地位の向上と、 ドリル&インストラクションのレベルアップが図れるよう、そしてその事がボウリング業界の発展の一助になるような活動をしてゆきたいと考えております。

そこで本題のドリリングの話に入りますが、皆さんにはなじみが薄いかもしれませんが、今回はボールのルールから入ることにしました。

ボウリングボールに関する規定は大きくは製造上の規定と、ドリリングの規定に分けられています。
JBCが定めた製造上の規定としては
 
● 材質 ボールの材質は非金属性のものでなければならない。
というのがルールで決められています。ところが近頃はインナーコアにチタンを入れているボールがABC/WIBCの公認ボールとして輸入されていて、元のルールではちょっと怪しいのではないかと思えてなりません。

いわゆる「ラメ」入りボールに関してはABC/WIBCはルールで定めておりまして、製造時、厚み1/4インチの透過性シェルの下にむらなく均一に分布す るように製造しなければならない、と決められています。残念ながら日本のルールブックではここまで詳細に規定していません。

そして当然のことながら、ボールの曲がりを変化させるために鉛やパチンコ玉を入れるような細工をしてはいけないことになっています。ひと昔前は現在のよう に重さを調整する以外にコアの比重を変えるようなことは考えられていませんでしたので、鉛を入れたりすることでアンバランスなボールができましたが、昨今 のバランス理論に基づいて製造されているボールでは例え鉛片を入れたとしても、それがドリリングのバランス規定の範囲であれば、ほとんど効果は薄いと思っ てください。
 
● 重量

ボールの重さは16ポンド(7.257Kg)以下というのが従来から変わらない規定です。重い方がピンを倒す力は強いと思われている方がほとんどでしょう。しかしそれはスピードが両者同じであった場合です。運動エネルギーの法則では、

運動エネルギー=1/2 mv2乗
(m=質量・v=速度)

なっていて、質量(重さ)より速度の影響力が大きいことがこの式からも理解することができるように、スピードのない人はボールを軽くして、スピードをアップした方がピンを倒す力は強いということになるのです。

 
● 寸度
ボールの円周は最大68.58センチメートル(27インチ)以内、最小67.628センチメートル(26.704インチ)以上で直径は最大21.831セ ンチメートル(8.595インチ)以内、最小21.59センチメートル(8.5インチ)以上という許容範囲の中で直径各面同一でなければならないことに決 められています。
ただし、この場合の円周の許容範囲は±0.127ミリメートル(0.005インチ)となっています。
 
● 硬度
ボールの表面硬度はデュロメーターDタイプで測定した値が72度以上と規定されています。夏のシーズンに車のトランクに入れっぱなしの人もいますが、熱で硬度が柔らかくなって、公式戦では使えなくなる場合もありますので要注意です。

そもそも硬度規定ができた背景には、1974年頃、ドン・マッキューンというPBA(アメリカプロ協会)のメンバーが、その当時のラバー素材のボールをメ チル・エチル・ケトンという溶剤に漬けたところ表面が柔らかくなり、やたらピンアクションが良くなって、勝ち続けたことがきっかで、アメリカにおいてボー ル表面の硬度規定ができました。もちろん日本でもこの規定は即座に取り入れられました。

以上がJBC(財・全日本ボウリング協会)が定めた、製造上の規定です。

 
 
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