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ひとこと: 2011年9月アーカイブ

硬度規定をご存じですか

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今週は日、月と盛岡まで出かけますので、ドリルは須山プロが担当致します。
火曜から週末までは予定通りですが、28日(水)の午後から会議があり
出かけてしまいます。ドリルご予約の際はTELにて再度ご確認ください。


ボールに硬度規定があることをご存じですか?

 最近ストーム社(ロトグリップ社)のボールの表面硬度が他社に比べ軟らかいようです。ボールの表面硬度はデュロメーターという硬度計で測定します。日米のボウラー団体で多少規定は異なりますが、日本の場合、プロ・アマを問わずボールの表面硬度は「72度」以上という規定があります。勿論ストーム社製がルール違反をしているわけではなく、規定ギリギリに造られているようです。何種類ものボール(ストーム社製)を測定しましたが、殆どのボールが他社に比べ軟らかいようです。

 1973年頃だったと思います。当時はまだラバーボール(エボナイト)の全盛時代でした。それまではボールの表面硬度は「硬い方が反発力があっていい」とされていたのですが、ある時、PBAのドン・マッキューンというプロがそれまでの常識を覆し、硬いラバーボールを「メチル・エチル・ケトン」という溶剤に漬け、表面を軟らかくして試合に望んだ結果、何とその年だけで6勝してしまい、一躍全米にその名をとどろかせたのです。

 以来各メーカーは表面硬度の軟らかいボールの製造へと方向転換をし、一時は爪で跡が着くほど軟らかいボールが製造された時期もあったほどです。硬い表面より軟らかい表面の方がピントの接触面積が増え、さらに衝撃を吸収することでピンからの反発を防ぐ効果にも繋がり、パーフェクトストライクのメカニズムには効果的だったのです。

 その事実が検証された結果、ABC(全米ボウリング協会)はボールの表面硬度に規定を設けたのです。ABC規定(現USBC)では72度以内、PBA(アメリカプロボウリング協会)規定は74度以内に決められました。WTBA(世界テンピンボウリング協会)参加のJBC(全日本ボウリング協会)はABC規定に準じて72度以内、その他日本のボウラー団体はNBR(日本ボウリングルール)規定を採用していることもあり、JBC同様72度以内に決められていて、現在に至っています。

 ボールは軟らかい方がピンアクションはいい、ということを知っておいてください。

今週はスケジュール通りの予定です。
24日(土)はプロショップ杯がありますので、是非ご参加ください。

今日はバランスホールの話をしましょう。
 2005年頃だったと思います。全米ボウリング協会(USBC)でバランスホールを禁止しよう!という動きがありました。理由は、必要以上にフレア(ローリングトラックの広がり)を増やすことでボールの曲がりを大きくしてしまうことが、スポーツの用具として、人的スキルを超える用具になる事への懸念からだったと思われます。

 ところが、ボールメーカーが様々な検証を行い、バランスホールの位置によってはフレアを減少させることもあり、必ずしもプラスに作用するとは限らない、と異論を唱え、結果としてバランスホール禁止の論議は棚上げとなり、現在に至っています。

 そこで皆さんにご理解を頂きたいのは実際のバランスホールの効果です。バランスホールには次の3つの効果があることを知っておいてください。
①フレアを増やし曲がりを大きくする。(効果のある位置に効果のある大きさが必要)
②フレアを減らし曲がりを減少させる。(       〃           ) 
③ルール内にバランスを調整する。
以上です。

 昨今は非対称コア(マスバイアス)の原理を応用したボールの開発が当たり前の時代となっております。そこには求められるボールリアクションに対応するための効果的なレイアウトが存在します。すると結果としてルール内にバランスを調整せざるを得ない事態が頻繁に起きてくるわけです。「バランスホールは嫌いだからあけないで」なんて言われてしまうと、ドリラーとしては求められるリアクションを提供できなくなるのです。このことを十分ご理解をいただきたいのです。

 ではどのくらい曲がりに影響があるのかというと、米国の実験では板目にしてプラス4枚、マイナスに4枚の効果があることが解っています。最も摩擦力のあるカバー素材のボールとプラスチックボールの曲がりの差が板目27枚あることを考えると、さほど大きな効果ではないことも解ります。又、フレアポテンシャルを最大限引き出そうとするようなレイアウトをしたボールで、さらにフレアを大きくするためにバランスホールを利用しようとしても効果が現れないことも実験で解っています。

 以上です。バランスホールの効果、ご理解頂けたでしょうか?

スパンについて

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次週は7日(水)お休みしますが、須山プロが居りますので、
ドリルご希望の方はお早めにご予約頂けると有り難く存じます。

今日はスパンについて気が付いたことをお話します。
最近は平均的にスパンが短すぎる傾向にあることを強く感じます。恐らく手首を可動させるハイレブリリースの流行から、短めのスパンが広まってきたのではないかと考えます。
ボールをグリップする際のフィット感を考えた場合、スパンの占める割合は全体の40%以上で、
サムの抜け、フィンガーのリフトに対して与える影響は大であると言えるでしょう。
そう考えるともっと慎重にスパンを決定すべきではないかと思います。
特に手首を固定するようなタイプの人に、必要以上に短いスパンを与えてしまうと、まずボールが落ちやすくなり、その結果落とすまいと握り過ぎるようになったりして、サムの抜けが不安定になることが良くある現象です。

ではどうやって適正なスパンを見いだせば良いのでしょう。

実はスパンは手首の角度によって微妙な設定が必要なのです。手のひらが下を向いてしまうような「ブロークンリスト」タイプは手のひらとボールの間に隙間を空けすぎないようなスパンが適正だと考えます。それとは反対に手のひらが上を向いてリリースするような「カップリスト」タイプはそれよりもやや(1/8インチ程度)短めにすることでスムーズなリリースができるようになるはずです。

勿論リストタイやグローブ類を普段使うタイプは必ずメジャーリングの際には着用して測定しないと、後でスパンが長すぎてフィンガーの爪が背中に当たって痛めることがあるので注意が必要です。さらにスパンは関節の伸びによって変化をすることもありますから、ニューボールドリルの際には、必ずスパンの再チェックが必要です。あなたのスパンは大丈夫ですか?

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